2019/09/29 01:23
いつもありがとうございます。
三味線 結(ゆい)の布施です。
秋が深まってまいりました。
毎回書いてますが、私は1年のうちで秋が最も好きです。
読書の秋、食欲の秋など…いろんな秋の代名詞があることから、
秋って何をするにも最高の季節だと信じきっています。
もはや揺るぎません。
こちらのブログを読んでくださっているのはほぼ三味線に縁のある方ばかりでしょうから、
今時分は演奏会やイベントなど、ご多忙な時期だとお察しします。
しかしながら、今回は秋の唯一の弱点(主観です)のお話をさせて頂きたいと思います。
夏の疲れが一気に出ます。
体調や健康面の話かって?
まあ、それはそうなのですが、三味線のお話ですよ。
私たちヒト科も夏の疲れやダメージが秋になった頃にドバッと出てくることが多いように、それは三味線も同じです。
三味線の皮も私たちと同じように生きていて呼吸もしていますから、
やっぱり同じように夏の疲れが少し涼しくなった頃に出ることが非常に多いです。
要するに、皮が破れるリスクが最も高い季節ということです。
イメージしてみてください。
梅雨時期には皮がたくさん湿気を吸って、
夏には三味線ケースの中にいようがいまいがとにかく暑くて、しかもヒト科の汗や熱気を吸って、
暑い時期が過ぎて、湿度も少し落ち着いて…
皮はもうストレスフルです。
現代社会に置けるサラリーマン、もしくは多感な中高生のようなものです。
いつキレてもおかしくない状態です。
実際に、三味線屋が皮張りで最も忙しくなるのは1年を通して今時期です。
(事実、私もそうです)
演奏会や大会があるから皮を張り替えて良い音で挑む!ということもあると思いますが、
今時期にお預りする皮張りは、9割以上が破れています。
つまり、湿度が高いのはもちろんダメ、かといって乾燥しすぎてもダメなんです。
そこで、皮に少しでも安らかかつ健やかでいて頂くために登場するのが、湿度調整板です。
乾燥剤と活性炭を不織布に固定化した板状の乾燥剤です。
湿度を調整しちゃうんですよ?すごくないですか?
使い方は簡単です。
パックの中に湿度調整板が2枚入っているので、ケースにしまうときに1枚は表面の皮と糸の間に挟み、
もう1枚は裏面に優しくそっと添えるだけです。
たったこれだけで、皮が安らかかつ健やかに過ごすことができるんです。
ですが、注意点が2つあります。
それは、
・皮が破れないことを保証するものではない
・効果は約半年間
ということです。
しかも、本製品には特に湿気の多い季節は頻繁にお取替下さいと書かれています。
交換時期はお使いになる方に委ねられるかたちにはなりますが、
大切な三味線ですから、どうか優しくしてあげてくださいね。
そして何より、皮が破れるリスクを少なくするために最も大切なことは
とにかくケースから出して弾いてあげることです。
どうか、素敵な三味線ライフを送り続けてくださいね。
最後までお読み頂きありがとうございました。
三味線 結
布施 剛史