2019/09/08 00:30
いつもありがとうございます。
三味線 結(ゆい)の布施です。
今日の神戸の日中はまた夏が戻ってきたのかなあと思うような暑さでした。
朝晩は涼しくなってきたので、秋がそこまで来てると感じて
ワクワクするのですが(僕は1年のうち秋が一番好き!)
ここ最近の日中の暑さにはついつい眉間にシワが寄ってしまいます。
こんな気温差が激しい今時分ですから、夏の疲れが出るのは今頃から秋頃というのも納得ですね。
しっかり食べて、休んで、遊んで(ここ重要です)
すこやかに秋を迎えましょう。
さて、ショップの方ですが、少しずつそしてさりげなく商品を増やしていっているところです。
今日は津軽三味線用の竹駒をアップしました。
津軽三味線用の駒はどんな駒を選んだらいいの~?
材質でどう違うの~?
というお問い合わせをよくいただきます。
好みです!と言ってしまえばそれまでなのですが、少々乱暴なので…。
主観の考察と客観的な事実を織り混ぜながらお伝えします。
結論から申し上げると、
半骨タイプの竹駒が最も人気があるように思います。
まず、駒の材質として竹をはじめ、紅木、水牛、スネークウッドなど珍しいものもあります。
(僕は見たことありませんが、杉でつくられた駒もあるそうです)
それから、駒の台の上に乗るのは、舎利と呼ばれる骨、象牙、鼈甲などが主流です。
何も乗らず、そのまま竹のものもあります。
駒の材質で、昔から竹がスタンダードに選ばれている理由として、
適度な硬さと軽さが挙げられると考えています。
紅木やスネークウッドはご存知の通り非常に硬いので耐久性はありますが、
絃を弾いたときに駒が振動しづらく、音が皮に伝わりづらい。
逆に水牛や杉はやわらかく、すぐ割れてしまうなど耐久性に問題がある。
そう考えると、適度に丈夫で振動しやすい竹が、津軽三味線用の駒の台として
最適と言えそうです。
次に駒の台に乗る部分(糸がかかるところ)の材質についてです。
この部分にスタンダードに使われていた材質は、ほぼ間違いなく象牙です。
象牙は、駒、撥、糸巻などに用いられ、特に高級な三味線には必ずと言っていいほど象牙が用いられます。
ですが、竹駒の上に乗る材質の象牙が骨にゴッソリ変わった(ように感じられる)理由のひとつとして、
ワシントン条約が挙げられると思います。
海外で量産でき、安価で、問題なく日本で流通できるという理由から、
鼈甲などよりも象牙に近い骨が主流になったと言えそうです。
国内で象牙が乗った竹駒をつくられている職人さんもいますが、
流通している量から考えると圧倒的に海外製が多いです。
もっと言うと、骨や舎利が乗っている竹駒はほぼ海外製です。
そんな事情や背景から、半骨タイプの竹駒が最も人気があると言えると思います。
やわらかくて良い音がする鼈甲が乗っているタイプの竹駒を
お使いになられている方も演奏会などでお見かけすることが多いです。
はい、というわけで
駒は好みです (えっ
色々試して、ご自身の好みや三味線との相性も考えて、
あなたにピッタリの駒に出会えるとよいですね。
もちろん、そんな駒をご紹介できるように僕も頑張ります!
最後までお読みいただきありがとうございました。
三味線 結(ゆい)
布施 剛史